フランスパンの秘密

【パン修行】知っていましたか?フランスのパンが美味しい理由




パンを作るのに、最も重要な物が何だと思いますか?



職人の技?愛情?製法?最新機器?菌?





いいえ。どれも違います。

正解は小麦粉です。

白ご飯で例えるなら、最も重要なものは炊飯器水、お母さんの愛情ではなく、米粒そのもの。もちろん、全てが揃わないと最高に美味しいご飯は炊き上がりませんが、大前提として美味しい米粒が無ければ話が始まらないのです。
パンもそれと同じ。

パンの材料は


小麦粉、水、塩、イースト(酵母菌)
それだけです。とてもシンプルですよね。酵母菌は小麦粉の糖質を食べてガスを発生させ、そのガスによりパンは膨らみ、焼成後、粉の風味や味を引き立たせてくれています。だとするとパンにとって小麦粉は命そのものなのです。


【日本の小麦粉】




日本でよく目にするのは薄力粉、中力粉、強力粉の3タイプですよね。一般的にお菓子作りには薄力粉、うどんやお好み焼きには強力粉。パンには中力粉もしくは準強力粉なんてゆうものが使われていたりもします。
私が以前勤めていた会社では、オリジナルの配合粉があったが、大きく使っていたのは3種類でした。


【フランスの小麦粉】

フランスの小麦粉は灰分量によりタイプ分けされ、T〇〇と表示されています。

灰分=ミネラル分の事。小麦粉に含まれる灰分・ミネラル分は小麦粉の等級分けに関係しており、小麦に含まれるミネラル分は表皮近くに集中して残存するので、より胚乳近くを使用した小麦粉ではミネラル含有量が少なくグルテン質が多くなり、それが等級の高い粉となります。

等級=グルテンの量

ミネラル含有量が高い粉はグルテン質が少ないから、より伸展性が高くなる

グルテン=弾力性

と少し小難しい説明になってしまったが、イラストにするとこんな感じです。↓


(余計に分かりづらくなってしまった気もするが…)

パンに興味のある方であれば、ここまではある程度はご存知かと思いますが、私がフランスに来て驚いたのはその小麦粉の種類の量の多さです。

私のお店で使われている粉を少しだけ紹介します。

↑クロワッサンに使われているT55。握った時に固まりが出来るのはミネラル分が少なく、グルテン含有量が多いからです。他にも、T45,T60,T80,T110などがあります。

↑少し色味がわかりにくいかもしれないが、濃い灰色をした小麦粉。中にはゴマや麦、チアシード、などの雑穀が入っています。

↑これはFarin maïs トウモロコシの粉です。トウモロコシを砕いたものを小麦粉と混ぜ合わせているので、粉自体が黄色をしていて、この粉を使用する時は塩は使いません。


↑こちらはfarine céréales 雑穀入り小麦粉。


ご紹介出来たのは4つですが、毎日15種類の粉を使っています。

働き始めた頃は粉の名前と種類を覚えるのに苦労しましたが、この小麦粉達のおかげでいろんな種類の美味しいパンが作られているのだと思うと頭が上がりません。

つまり、フランスのパンはシンプルなのです。小麦粉が美味しければ美味しい。凄腕の職人とは、その小麦粉の毎日違う声を聞ける人ではないかと私は思うのです。

【製粉会社の紹介】

MINOTERIES VIRON http://www.minoteries-viron.fr/

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